そこで華子は、祐太の後ろに行き、
祐太の顔と同じ高さになるようにしゃがみ、
佐紀に、手を振ってみた。

佐紀と、目が合った。

佐紀が、あわてて前を向き、
何事も無かったかのように、
教科書をめくり始めた。

華子の疑問は、確信に変わった。


友理が、華子を見つけ、


  「あれっ華子、どないしたのん?」


  「いやっ、ちょっとね」


そう言って、一人ほくそ笑む、華子。