2学期に入って、佐紀のクラスでは、
席替えが、行われた。
佐紀は、窓際の、一番前になった。
一つ後ろには、華子が来た。
対角の、後ろの出口に、友理がいた。
そして、その横に、祐太が座った。
数日して華子は、休み時間に、
佐紀が、ボーっと
友理の方を見ているのに、気がついた。
そういえば、昨日も、
こんな風に見ていたなと、思い出した。
しかし、友理を見ているようには、
思えなかった。
かといって、廊下を見ているようでもない。
ここで華子は、ピーンときた。
“これは、恋の芽生えだな”と、思った。
恐らく佐紀は、自分では、
気がついていないのだろう。
ただ祐太が何をしているのか、
気になって仕方ないのではないか。