しかし、佐紀は気が気でなかった。
友理が、ケガでもしないかと、
いつも、見ていた。
そして、友理は知らなかったが、
華子と組むと、あまり突っ込んでこない事に
気がついた。
華子は2年生が、自分には気後れするのか
突っ込んでこない事を、知っていた。
そこで、友理の付いているオフェンスに
ボールが入った時、大きく開いて、
オフェンスがゴールを見ると、
自分が目に入る位置に、立つようにした。
佐紀は、あんな所までカバーに行けるなんて
凄いなあと、感心して見ていた。
そして佐紀も、どこまで離せるものか、
やってみようとした。
すると、それを見た雅美が、
同じように、し始めた。
こうして1年生全員が、
ディフェンス・エリアを、広げて行った。

