部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


それ以来、キャプテンの明美に
あからさまに文句を言うことは無くなった。

しかし、不満の種は、
消え去った訳ではなかった。

勢い、その不満のはけ口は、
1年生に向かう事となった。

ただ、華子には、一目置いているらしく、
華子に向かう事はなかった。

しかし、その分、気の弱さが災いして、
友理が犠牲になる事が、多かった。

動きが遅い分、入るのが遅れて、
ぶつかると、


  「痛いなあ、ファウルだろっ」


  「すんません」


そんな場面が、何度も見られた。

友理が、言い返さないのをいい事に、
キツい言い方をされることも多々あった。


しかし友理は、そのことを、
何とも思っていなかった。

バスケットとは、そんなものだと
思っていたし、
神戸の中学時代には、
相手にしてくれる者も、いなかった。

だから、たとえ少々荒くても、
本気でぶつかってくれる事が、
嬉しかったのだった。