しばらくすると、女の子達が
ゾロゾロ入って来た

先頭は、あの、桐原弥生だった。

弥生は、まっすぐ、華子の所へ行くと、


  「港北の、御園さんね。
   噂は、聞いてるわよ。

   ここへ来たということは、
   バスケット部に入るんでしょうね」


  「はい、そのつもりです」


弥生の、凛とした態度に、あの華子が、
圧倒されていた。

その横で佐紀が、憧れの目で、
弥生を見ていた。


  「かっこいい~」


弥生が、佐紀たちを見渡し、


  「みんなは、バスケット部だったの?」


梨沙が、一歩前に出て、


  「はい、そうです。
   私たちは、港南のバスケ部です」


佐紀と友理が、軽く会釈する。

雅美と千奈は、圧倒されて、動けなかった。


  「あら、そう」


弥生は、友理を見て、


  「あなた、大きいわね。
   身長、どのくらい?」


  「176センチ……、くらいです」


梨沙が、小声で佐紀に、


  「やっぱ、伸びてんじゃん」


弥生は、友理のつま先から頭までを見て、


  「久しぶりの大型センターね。
   頼もしいわ」


友理は緊張で、
今にも泣き出しそうな顔をしていた。


  「みんな、体操服は?」


  「いえ、今日は入学式だったので……」


  「じゃあ、今から練習始めるから、
   横で、見ててね。

   椅子、持ってきて」


  「はいっ」


部員たちが、椅子を取りに、走って行った。


  「いえ、私たちは……」


  「あら、いいのよ。
   あなたたちはまだ、
   正式に入部していないから、
   お客さんなのよ。

   今日は、男子と一緒だから、
   ハーフなの。
   だから、たいした練習は
   出来ないんだけど……」


部員たちが、椅子を持ってきて、
サイドに並べる。


  「じゃあ、ゆっくり、見てってね」


  「はい、ありがとうございます」