部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


練習が終わっての帰り道、
話題は、明美の事だった。


  「今日のアケさん、凄かったね」


  「うん、何があったんだろうね」


  「”一皮むけた”ということ
   でしょうね。

   真のキャプテンにむけて、
   一歩前進したという事では
   ありませんこと?」


  「ちょっと、スッとしたわ。
   いい気味やわ」


それを聞いて佐紀は、千夏が友理を
睨んでいる顔を、思い出した。


  「そうそう、友理。
   ナツさんがサボっているのを、
   アケさんにチクッたと、
   思われているかもよ」


  「えー、ウチ、そんな事してへんわ」


  「それを知っているのは、友理だけだと
   ナツさんは、考えるでしょうね」


  「そんなん、弱るわ。
   また、突っ込んで来るんやろか」


  「気を付けなきゃね」


  「うん、気ぃ付けるわ。
   痛いの、イヤやもん」


  「私らに、とばっちりが、
   来ないようにしてよ」


  「梨沙ぁ、それは友理が可哀そうだよ。
   友理のせいじゃ、ないもん」


  「そっかぁ、じゃあ私も、
   気を付けようっと」


  「よーし、明日からも、
   気を付けて、頑張るぞー」


佐紀は、ガッツ・ポーズをした。


  「ヨッシ」


すると、全員、


  「ヨッシ」


あまりの気の合いっぷりに、皆、大笑い。


  「おっ、いいねえ、この、一体感」


  「ヨッシ」


  「ヨッシ」


楽しそうに、何度も声を合わせながら、
帰って行った。