体育館の扉が開いて、佐紀たちが入って来た

中には、誰もいなかった。


  「なーんだ、まだ、やってないじゃん」


  「どこかに、ボール、ないかなあ」


  「確か、ここが倉庫のはずなんだけど」


後ろの扉を開けると、そこにボールがあった


  「よし、バスケ、やろう!」


  「うん。やろう、やろう」


佐紀達は、制服のまま、バスケットを始めた

靴下でやっているので、
遊び程度のものだったが、いつの間にか、
2つに分かれて、4対4になっていた。




キャアキャアやっていると、
大きな声が、体育館に響いた。


  「みんな、何やってんだ?」


声がした方を見ると、体操服の男子がいた。


  「どうしたの?」


その後ろから、女子が現れた。


  「いや、こいつらが、
   バスケットボールで、遊んでたから」


  「今から、部活やるから、
   コート空けてちょうだいね」


  「あっ、すみません」


  「ごめんなさい」


そう言って佐紀達が、体育館を出ようと
した時、その女子が、華子を見て、


  「あっ、あなた、港北の……。
   ちょっと、ちょっとそこで待ってて」


あわてて、体育館を飛び出して行った。