部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


  「アケさんは、そのこと、
   知らないのかなあ」


  「知らないはずは、ないでしょうね。
   チーム・メイトなんだから」


  「なら、何で、言わへんのやろ」


  「さあ。でも、少し負い目が
   あるのかも知れませんわね」


  「負い目って?」


  「自分は、レギュラーじゃなかった、
   ていうこと」


  「えー、そんなぁー。
   キャプテンになったんやから、
   ビシッと言わな、なあ、佐紀」


  「えっ、私?
   う、うん。そうだね。
   その負い目を乗り越えなきゃね」


  「アケさんが、真のキャプテンに
   なれるかどうかは、そこに、
   かかっているのかも知れませんわね」


華子がそう言うと、3人は期せずして
窓の外を眺めた。

華子は、明美に、キャプテンらしく
して欲しかった。

佐紀は、明美の苦悩を、おもんばかった。

友理は、チームの雰囲気を、
何とかして欲しかった。

3人は、三者三様の気持ちで、
窓の外に広がる空を、眺めていた。


それからも、明美は、何をするでもなく、
淡々と、部活は続けられた。

そして、1学期の間、コーチは、
一度も来なかった。