大会3日目、決勝。

コートでは、皆がアップをしている。

佐紀たちも、観客席、一番前の
定位置に陣取った。

突然、千奈が、変な声を出した。


千奈「アア、ア~ア、アー~~」


梨沙「何?」


千奈「いや、ちょっと、のどの調子を…」


梨沙「もうー、びっくりするじゃん」


雅美「イエーイ。やって来ました、決勝!」


佐紀「みんな、凄いよね」


友理「何か、凄いチームに入ってもうた、
   て言う感じ?」


佐紀たちは、もう、お祭り気分。



  「ピッ」

審判の笛が鳴る。

  「1分前」



佐紀「さあ、気合入れて、応援するよ」


皆 「オー」



試合前のあいさつ。

佐紀たちも、一列に並んだ。

コートに合わせて、声を出す。

  「おねがいしまーす」

ジャンプボールの、トスが上る、試合開始。

タップは競り負けたが、そのボールを、
華子が掴む。

千奈の声が、体育館に響く。


  「よーし、いいぞー」



第1クォーターは、一進一退ながらも、
4点のリードで、終える事が出来た。

しかし、第2クォーターに入ると、
相手のプレッシャーが、強くなり、
徐々に差を詰められて、ついに同点となった

相手のシュートが入り、スローインに
出た所で、オフィシャルのブザーが鳴った。

向こうのベンチから、歓声が上がる。
とうとう、逆転されてしまった。