ゴールデン・ウィークに入り、
3年生、最後の大会が、始まった。
地区大会は、弥生の活躍で、
危なげなく、優勝した。
華子も、弥生に負けず劣らず、
得点を重ねていた。
しかし、佐紀たち5人は、
観覧席からの応援だった。
会場からの帰り道、
佐紀「やっぱり、弥生さん、カッコいい!
一つ一つの動きが、違うんだよね」
歩美「また、言ってるよ」
梨沙「だからぁ、佐紀。
好きな男の子いないの?
気になる子でもいいからさぁ」
少し、間があいて、
佐紀「そんなの、いないよ」
梨沙「おっ、ちょっと考えたなぁ。
いるんだ。誰か、いるんだ。
ねっ、誰?、誰っ?」
佐紀「違うよ。いないんだってば」
華子「私も、聞きたいですわ」
佐紀の顔が赤くなったのを、見逃さなかった
華子が、スッと、佐紀の横に来た。
佐紀「もう、華子まで。
いいかげんにしてよ」
華子「あら、真面目一筋の、佐紀さん。
これは、大事件ですもの」
里香「よっ、華子、頑張れー」
佐紀「もう、里香までー。
からかうの、やめてっ!」
華子は、梨沙を見ながら、
華子「いつも、私がやられてますでしょう。
こんなこと、滅多にありませんもの」
梨沙は、首をすくめて、頭をかいた。
華子「私の気持ち、少しは、解りました?」
佐紀「わかった、わかった。
よーく、わかりましたっ。
だから、これは、ここでオシマイ」
梨沙が、咳払いをして、
梨沙「じゃあ、私が後で、
佐紀から聞いとくよ。
佐紀ぃ、覚悟しろよ~」
佐紀「もう、梨沙、やめてよ」
「ハハハハハ」