明美は皆を、グラウンドにある、
バスケット・コートに連れて行った。


友理「うわー、大体、何やるか、
   想像つくわぁ」


佐紀「でも、リング、あるよ」


雅美「だよね。あの頃に比べたら、
   まだ、ましかも」


友理「せやけど、リング、使うんやろか」


明美が、ポケットから出した紙を広げ、
皆に声をかけた。


明美「じゃあ、フット・ワーク」


友理「やっぱり」


フット・ワークが、始まった。



フット・ワークが終わると、膝に手を付き
ハアハア言っている所に、明美が来て、


明美「これが、フット・ワークね。

   でも、あんたたち、
   基本の動きは、出来てるみたいね」


佐紀「はい、ありがとうございます」


佐紀たちは、中学校の時の練習を、
思い出していた。

フット・ワークは、三田コーチから、
完璧に、教え込まれていた。

三田「どんな高度なプレーを教わっても、
   フット・ワークが出来なきゃ、
   モノにはならない。

   基礎が広ければ広いほど、
   上に多くのものが、乗せられるんだ」

三田コーチの言葉が、浮かんだ。

あの、ゴールの代わりの旗も、今は懐かしく
思い出された。


明美「まあ、スタミナも大事だから。
   特にあんた、ユリだったかな」


友理「はい」


明美「もう少し、スタミナ、つけようね」


友理「はい……、頑張ります」


それからも、パス、レイアップと、
基礎練は、続いた。