ようやく、友理が走ってきた。

膝に手を付き、ハアハア言っている。


友理「みんな、早いわ。
   高校になると、ちゃうなぁ」


明美「あんた、関西?」


友理「はい、神戸に、いてました」


明美「そう。じゃあ、こっちね」


明美は、再び、走り出した。


友理「みんなは休めて、ええなあ」


そう言いながら、友理も後について
走り始めた

途中で右に曲がると、
裏山に続く坂道が、現れた。


友理「やっぱ、こうなるんやないか、
   思うてたんや」


ぶつぶつ、つぶやきながら上って行って、
下に降りると、また元の所に、出て来た。

そこではまた、皆が、待っていた。


明美「ここ、3周ね。
   今日は説明だけだから、
   1周にするけど」


そう言って明美はまた、走り出した。


友理「えー、うっそぉー」


友理もまた、渋々、走り始めた。



友理が、校門まで来るとまた、
皆が待っていた

皆の所まで行くと、膝に手を付き、


友理「みんな、何で、こんな、速いのん?」


明美が、友理の前に来て、


明美「あんた、もっと速く走らないと、
   置いてかれるよ」


友理「あっ、はい。
   一生懸命、走ってるんですけど…」


佐紀「まっ、友理は、こんなものだよね。
   さあ、行くよ」


友理の背中をポンと叩き、
佐紀は、明美の後をついて行った。


友理「うん」


友理も、ハアハア言いながらその後に続いた