明美「あなたたち、みんな同じ中学?」


梨沙「はい、港南中です」


明美「私は、隣の市の、名城中。

   私も、入った初めは、ずっとここ、
   走らされてたんだ」


佐紀「へー」


明美「最初は、10何人いたんだけどね、
   いろいろあって、1人2人と辞めて、
   今、残っているのが7人。

   その中で、ここ走ってたのは、
   私一人だけ。

   だから私が、2年生の中では
   一番ヘタクソなんだ」


佐紀「そんなこと……」


明美「いいのよ、自分でわかってるから。

   麻紀、見たでしょう?
   ああいう風に、出来たら
   いいんだけどね」


雅美「マキさん、上手いですよね」


千奈「でもちょっと、気が強そうじゃん?」


明美「わかる? でもそれは、
   フォワードには、必要なことだから」


明美は、最後の方の言葉を濁した。