祐太の背中を見ながら、華子は、


  「練習が、厳しいからね」


  「祐太、部活してるの?」


  「何言ってるの。男バスじゃない。
   知らなかったの?」


  「男バスなんか、見た事ないし」


  「あなたって、ホント、
   真面目一筋なのね」


佐紀は、ちょっと、ムッとした顔になって、


  「そんなこと、ないよ。

   でも今は、
   バスケと勉強で、手一杯だもん」


  「ホンマ、ウチも、一杯一杯や。

   高校になると、一気に
   難しゅうなったもんなあ」



  「あなたたち、しばらく、
   別メニューみたいね」


  「まあ、仕方ないわなぁ。
   ウチら、必死のバスケだけやもん」


  「どんなこと、するんだろう」


  「まあ、楽やない事は、確かやなあ」


  「でしょうね」


  「ハンドリングなんかだと、
   ええんやけどなぁ」


  「希望的観測は、違った時、
   ショックが大きいわよ」


  「華子は、いいなあ。
   弥生さんと、バスケットが
   出来るんだから」


佐紀は、遠くを見るような眼をした。


  「弥生さん、カッコいいんだもんね」


友理と華子は、顔を見合わせ、
やれやれという顔をした。