チャイムが鳴って、先生が出て行くと、
席にドスンと腰かけ、佐紀の方に振り返った


  「お前、なあ」


  「だって、起きないんだもん」


祐太は、脇腹を指差し、


  「俺、ココ、弱いんだよ」


  「じゃあ、そこ、刺したら
   すぐに、起きるよね」


  「カンベンしてくれよ」


佐紀の所に、友理と華子がやって来た。


  「祐太ぁ、また、寝ていたのね」


  「いや、寝てないよ」


  「”また”って華子、知ってるの?」


  「3年の時、同じクラスだったの。
   まあ、ほとんどの授業、寝てたわね」


  「佐紀!、あれ、ナイスやで」


  「どんどん、おやりなさい」


  「もう、やめてくれよ」


そう言って、祐太は、教室を出て行った。