佐紀は、3年生の所へ行った。
「アケさん、弥生さんが来てますよ」
「えっ、見に来てくれたんだ」
「それと、
矢島さんと須藤さんって方も」
「マミさんとマァさんも。
うわっ、懐かしいなあ」
すると、麻紀が、
「こりゃ、変な試合は、出来ないぞ」
しかし、明美は、
「私たちは、私たちなんだから、
いつも通りすればいいんじゃない?」
佐紀は、そんな3年生の話を、微笑みながら
聞いていた。
明美はこの1ヶ月で、本当に、
キャプテンらしくなったと、佐紀は思った。
麻紀たちが、明美を信頼して、
従うようになったのが、大きいのだけれど、
明美の言動にも、
自信が見られるようになっていた。
「後で、挨拶に行こう?」
「そうだね」
こうやって、3年生が全員集まって、
話をする事なども、
以前は考えられなかった。
「アケ!」
向うから、声がした。
弥生たち3人が、こちらに歩いて来た。

