佐紀と明美が、体育館に入ると、
梨沙たちが、駆け寄って来た。


  「3年生が、一人も来てませんが、
   どうしたんですか?」


  「みんな、走ってるよ」


  「じゃあ、明日から、私らも…」


  「あんたらは、いいよ。
   自主練していて。

   これは、私たち3年生が、
   “走る”と決めた事だから」


1年生や3年生が、
パラパラ、帰って来始めた。


雅美が、

  「いえ、自主練って、何をして
   いいか、わかりませんし、
   スタミナで、3年生には、
   負けたくありません」


明美は、嬉しそうに、


  「おっ、言うねえ。

   じゃあ明日から、みんなで、
   走ろうか」


  「はいっ」


友理は、横にいた佐紀に、


  「ウチは、ナツさんにだけは、
   負けとうないねん」


そう言うと、向うから、


  「言ったなぁ~」


千夏の大きな声がした。


  「あっ、ナツさん」


友理は、固まった。

千夏は苦しくて、膝に手を付き、休んでいた

それで友理には、見えなかったようである