部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


次の日、甲陽高校、放課後。

佐紀が1年生を連れて、校門へ行くと、
3年生がいた。


  「あれっ、みんな、どうしたんですか」


麻紀が、

  「練習前に、走ることにしたんだ」


すると、明美が来て、


  「1年生は、私らが見るから、
   サキは、いいよ。
   自主練、して来て」


  「いえ、私も、走ります」


千夏が、

  「なら、好きにしな。

   こんなキツいの、自分からするなんて
   モノ好きだねえ」


そう、笑顔で言った。

佐紀は、初めて千夏から、
笑顔で話しかけられた。

そして、このチームが、変わり始めていると
感じた。



神社で、3週目を走っている時、
佐紀は、千夏を追い越した。

千夏は、フウフウ言いながら、
必死に、走っていた。


  「ナツさん、ファイト!」


  「おっ、サキ、速いなぁ」


  「毎日、走ってますから」


佐紀は、千夏と軽い会話を交わしたことで、
晴れやかな気持ちになった。

そして、嬉しさが溢れて来て、
笑顔になっていた。


佐紀は、校門に着くまで、
笑顔で、走り続けた。