大会、2日目。
いくら気持ちを切り替えたとはいえ、
準々決勝ともなると、
それで勝てるほど、甘くはなかった。
麻紀や華子は、昨日の疲れからか、
動きが、重かった。
コーチは、友理を出してみたが、
友理は、“いつもの友理”だった。
佐紀も、出しては見たが、“昨日のは誰?”
と思わせるような別人ぶりで、
精彩を欠いていた。
ただ、収穫もあった。
まず、明美が、自信を持ってきた。
まだ、出来るプレイは、少ないけれど、
出来る事に関しては、自信を持って、
プレイするようになった。
そのため麻紀も、その時は安心して、
パスが出せるようになった。
そして、千夏が、変わった。
スタミナがついたわけではないが、
ダメなときは、早めにコーチに申し出て、
替えてもらうようになった。
それがチームのためになると、
初めて理解したのだった。
雅美と替わる時に、
「8番は、裏を取るのが上手いから、
目、離すなよ」
そして、雅美の尻をポンと叩き、
「頑張れっ」
2年生が千夏から“頑張れ”なんて
言われるのは、初めての事だった。
それだけでも、大きな進歩だった。
試合は、善戦はしたが、
8点差で、負けてしまった

