部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


大会、2日目。


いくら気持ちを切り替えたとはいえ、
準々決勝ともなると、
それで勝てるほど、甘くはなかった。

麻紀や華子は、昨日の疲れからか、
動きが、重かった。

コーチは、友理を出してみたが、
友理は、“いつもの友理”だった。

佐紀も、出しては見たが、“昨日のは誰?”
と思わせるような別人ぶりで、
精彩を欠いていた。


ただ、収穫もあった。

まず、明美が、自信を持ってきた。

まだ、出来るプレイは、少ないけれど、
出来る事に関しては、自信を持って、
プレイするようになった。

そのため麻紀も、その時は安心して、
パスが出せるようになった。

そして、千夏が、変わった。

スタミナがついたわけではないが、
ダメなときは、早めにコーチに申し出て、
替えてもらうようになった。

それがチームのためになると、
初めて理解したのだった。

雅美と替わる時に、


  「8番は、裏を取るのが上手いから、
   目、離すなよ」


そして、雅美の尻をポンと叩き、


  「頑張れっ」


2年生が千夏から“頑張れ”なんて
言われるのは、初めての事だった。

それだけでも、大きな進歩だった。


試合は、善戦はしたが、
8点差で、負けてしまった