部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


梨沙が、

  「今日の佐紀、凄かったじゃん」


  「そうそう、なんか、別人みたく、
   見えちゃった」


  「佐紀が怒ったの、初めて見た」


  「私、怒ってなんかないよ」


  「いやっ、確かに、怒ってた」


  「そうかなあ」


  「いいじゃん。ガツンと言ってやりゃ、
   いいんだよ」


  「私、そんなつもりで
   言ったんじゃあ………」


華子が、悪戯っぽい笑顔で、佐紀を見て、


  「私のこと“ソノ”って
   呼びましたのよ」


  「せやせや、ほいで、マキさんや
   アケさんのこと、マキ、アケ、って、
   呼び捨てにしてたやん」


  「えー、ウッソー。覚えてない!
   後で、謝りに行かなくちゃ」


  「別に、いいんじゃありませんこと?
   誰も、何とも、思っていませんわ」


  「コーチにも、噛み付いたし」


  「あれは、驚いたよ。
   佐紀が、あんなこと言うなんて」


  「佐紀、カッコ良かったよ」


  「だからぁ、そんなつもりで…」


  「何か、弥生さんが、
   降りて来たみたいじゃん」


  「えっ、そう?」


佐紀は、憧れの弥生みたいと言われて、
ちょっと、嬉しくなった。