部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


梨沙が、不思議そうに、


  「でも、何で、ユリだったんだろう。
   あそこは、カナさんでしょう」


雅美が、


  「“出ます”って、
   アピールしたからじゃないの?」


  「友理が出て来た時は、驚きましたわ」


すると、友理が、


  「ウチも、びっくりしたわ。

   リカがファウルして、何回目やろって
   オフィシャルを見たら、
   コーチと目が合ってな。

   ほいで、
   “よし、行けっ”って、言われてん」


雅美が驚いて、


  「えっ、そうなの?

   “私出ます”って、胸、張ったように
   見えたんだけど」


  「ちゃうねん」


  「キャハハハハ、受けるぅ」


歩美は、手を叩いて、爆笑した。

他の皆も、大笑い。

千奈は、可笑しくて、涙を流しながら、


  「それで、いつもの友理だったら、
   コーチ、一生、後悔したかもぉ」


  「とまれ、あの、まぐれのブロック
   一発が、今日の勝因だね」


  「まぐれのね」


佐紀が、友理を庇おうと、


  「いいじゃないの、まぐれでも。
   あれで、勝てたんだから。

   それに、滅多にないコトなんだし」


友理が、残念そうに、


  「佐紀。それ、フォローに
   なってへんで」


  「えっ、そうなの?」