部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部

明美は、晴れ晴れとした顔になり、


  「今からでも、遅くはないんじゃない?

   2年生のくれた、
   県大会までの1ヶ月、
   気持ちを切り替えて、
   頑張ってみようよ」


やはり、3年生の目標は、この大会で勝ち、
県大会へ行く事だったので、
半ば諦めていた明邦戦に勝たせてくれた
2年生に、恩を感じない訳はなかった。


  「うん、だなっ。

   バスケットというものに
   恥じないように、頑張ってみるか」

  「よしっ、右に同じく、頑張ろう」


  「まっ、まずは明日の試合、頑張ろう」


  「うん、2年生に負けないよう、
   頑張らなくちゃ」


明美が、嬉しそうに、


  「よーし、頑張るぞー」

  「オー」


3年生全員が、声を上げた。


大きな声がしたので、
佐紀達が声の方を見ると、3年生だった。

皆、驚いた。

3年生がこうして、全員で声を上げる光景を
初めて見たのだった。

佐紀達は、何があったかわからぬまま、
驚きの目で、3年生を見ていた。