明美の話を聞きながら、考えていた麻紀が、
口を開いた。
「不誠実な真似かぁ。
確かに、あの時、試合、
捨ててたもんね」
千夏も、神妙な声になった。
「うん。確かに」
ようやく千夏も、自分が何をしていたかを、
理解した。
そして千夏が、しみじみと、
「思い返してみると、私、
2年生に、かなりキツい事、
していたような気がする」
麻紀も、神妙な声で、
「そうだね。
知ってて、何も言わなかった私も、
同罪だよね」
「部活の雰囲気も、悪かったし」
「確かに」
「それにアケにも、いろいろ言ったし」
「右に同じ」
「私の事は、いいよ。
それが、キャプテンの仕事だし」
「アケ、ゴメン」
「右に同じ、てか、ゴメンね」

