「プレス!」
佐紀の声で、全員、相手にへばりつく。
明邦もフリースローで、少し落ち着いたのか
ボールがつながるようになった。
しかし、簡単にパス出来ないので、
時間がかかり、最後は、
無理なシュートを
打たざるを得なかった。
そして、とどめは佐紀の3ポイントシュート
きれいな弧を描き、
ノータッチでゴールに入る。
入った瞬間、佐紀のガッツ・ポーズ。
「ヨッシ」
するとベンチからも、2年生全員、
「ヨッシ」
甲陽、4点リード。
「プレス!」
明邦が、佐紀と明美に挟まれて、
パスを出す先を探していると
オフィシャルのブザーが鳴った。
審判が笛を吹く。
「タイム・アップ」
甲陽は、20点のビハインドを覆し、
勝利を収めた。

