部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


残分2に近くなった頃、コーチが佐紀に、
声をかけた。


  「サキ! 行くぞ」


うなずく佐紀。


佐紀が、指を一本立て、高く上げて、
声をかける。


  「ディフェンス、一本。
   行くよー」


うなずく華子、麻紀、明美、友理。



攻め手を失った明邦は、パニックに陥り、
ただボールを回すだけだった。

オフィシャルのブザーが鳴り、
審判が笛を吹く。

  「24秒、オーバータイム」


甲陽の攻撃。

明邦ベンチから、コーチが大声で叫ぶ。


  「当たれ、当たれ!」


明邦は、プレス気味に出てくるが、
主導権を握った甲陽は、難なくかわし、
ボールをフロント・コートに進めると、
最後は、麻紀がノーマークになり、
ジャンプ・シュート

成功。

甲陽、2点ビハインド。


佐紀が声をかける。


  「プレス!」


全員が、ピタッとへばりつくと、
明邦はさらに、パニックになった。

頭越しのパスを、佐紀がカット。

すると、明邦は、取り返そうと、
ものすごい勢いで、突っ込んできた。

佐紀は、当る寸前に、3ポイント・シュート

ドンとぶつかり、佐紀は、跳ね飛ばされた。

転がる佐紀。


審判の笛が鳴る。

  「ファウル。フリー・スロー」