紹介が終わり、麻紀が下がると、
また、弥生が出てきて、
「今度は、あなたたち」
そう言って、一番端の、佐紀を見た。
佐紀が、一歩前に出て、
「清水佐紀です。
よろしくお願いします」
「中学校は?」
「あっ、港南中学校です」
「じゃあ、あなたは、サキでいいわね」
「はい、よろしくお願いします」
「港南中の、菅谷梨沙です。
よろしくお願いします」
「あなたは、リサ」
「港南中の、熊井友理です。
よろしくお願いします」
「大っきいなあ、何センチ?」
「百七十 … センチです」
友理は、最後の数字をぼやかせた。
「えっ、何センチ」
「ちゃんと、はっきり言いなよ」
千夏の、大きな声がした。
その声に圧倒されて、友理は思わず、
「177センチです!」
と、本当の事を言ってしまった。
それを聞いて、佐紀と梨沙は、友理を見た。
梨沙が小声で佐紀に、
「昨日と、数字が違うじゃん」
「また、伸びたんじゃないの?」
下を向いて、笑いをこらえる2人。
「じゃあ、あなたは、ユリね」
「はい」

