ベンチに帰って来た佐紀は、


  「ユリ、ナイス・ブロック」


すると華子が、


  「ユリ、カット・インして来たら、
   自分のマークは捨てていいから、
   前に、踏み込んで。

   後ろは、カバーするから」


  「うん、わかった」


麻紀も、


  「ユリ、リバウンド、頑張って。
   絶対、取るのよ」


  「はい、わかりました」


  「スクリーン・アウト、絶対ね」


坂井コーチは、指示するのを諦めたのか、
そんな佐紀達を、座って見ていた。


明美が、声を出す。

  「行くよ、甲陽ぉ―」

  「ファイ」


麻紀が、友理の尻をポンとたたき、
ディフェンスに向かった。


明邦は、コーチに指示されたのか、
また中へ、切れ込んできた。

しかし、友理がもの凄い勢いで来ると、
ヒビって止まり、ジャンプ・シュート。

友理の手は交わしたものの、
普段とタイミングが違うため、
シュートが落ちる。

甲陽、全員、スクリーン・アウト。


ベンチで、千奈が、


  「やっぱ、大きいのは、いいなあ~」