歩美は再び、佐紀の肩につかまり、
皆の所へ戻った。
梨沙たち2年生が集まって来て、口々に、
歩美の足を心配した。
「代わりに佐紀が、ベンチに入れるよう
コーチに、言ってきたよ」
「佐紀ぃ、よかったじゃん」
「うん。まっ、出られるかどうか
わかんないけど。
ベンチで、一生懸命、応援するよ。
それより、華子、かなりバテた
みたいだけど、大丈夫?」
「ご心配には、及びませんわ。
自分の役目は、果たしますけど、
そこから先は、3年生の問題ですわ」
「せや、負けたかて、
ウチらの責任、ちゃうもん」
「自業自得じゃん」
どうやら皆の中にも、
かなり鬱憤がたまっていたらしく、
あれこれ言った結果、雅美の、
「私らの時代になったら、頑張ろう」
ということになった。
すると、佐紀が、
「でも、アケさん、あんなに一生懸命
やってくれてるのに」
そう言うと、皆のトーンが下がった。
「だよね」
「アケさんの事を考えると、
ちょっとね」
華子が、
「まだ、負けが決まった訳では
ありませんわ」
と言うと、佐紀も、
「そうだよ。最後まで、
諦めちゃ、だめだよ」
「諦めたらそこで、試合終了じゃん」
「よーし、頑張って応援するぞー」
佐紀は、ガッツ・ポーズをした。
「ヨッシ」
すると皆も、
「ヨッシ」

