やはり、和美の動きは、重かった。

しかし、麻紀と華子の踏ん張りで、
からくも勝つことが出来た。

その分、2人への負担も、大きかった。

また、千夏や和美は日頃のサボり癖が祟り
大きくスタミナを、消耗していた。


試合後、コーチの叱責が飛ぶ。


  「もう、バテてしまったのか?
   まだ1試合、あるんだぞ。

   ナツ、カズ、お前ら、
   全然、動けてないじゃないか。

   お前らがサボると、他のヤツに
   負担がかかるんだぞ」


2人は、神妙な顔つきで、聞いていた。


  「まあ、いい。
   次の試合、勝たなけりゃ
   県には、行けないんだからな。

   次に備えて、休んでおけ」


  「はい。ありがとうございましたぁ」



佐紀は、歩美の所へ行った。


  「大丈夫?」


  「うん。でも、もう走るのは、無理。
   佐紀、ちょっと、肩、貸して」


歩美は、佐紀の肩につかまり、
コーチの所へ行った。


  「コーチ。私はもう、走れません。

   だからベンチには、
   佐紀を入れてください」


歩美の申し出に、佐紀は驚いた。


  「そうだな。仕方ないな。

   よし、佐紀。
   次の試合、ベンチに入れ」


  「はいっ、わかりました」