佐紀は、1年生を、
グラウンドのコートへ、連れて行くと、


  「じゃあ、フット・ワークね」


すると、由紀が、


  「うわー、やっぱり」


佐紀は、笑顔で、


  「誰かさんと同じような事、言わない」



フット・ワークが終わると、
パス、レイアップと、基礎練は、続いた。



練習が終わると、佐紀が


  「これが基礎練のメニュー。
   これを、やって行ってもらうから」


  「私たちで、やるんですか?」


  「いやっ、私が、一緒にやるよ」


  「でも、あっちの練習は?」


  「私は、1年生の教育係だからね。

   私たちが1年生の時は、
   アケさんに、教えてもらったんだ」


  「キャプテンの、明美さんですか?
   じゃあ、サキさんも、次は、
   キャプテンですね」


  「そんなこと、ないよ。
   キャプテンは、華子だよ」


それは、2年生の間では、暗黙の了解であり
誰も、信じて疑わなかった。

1年生も、


  「そうかぁ、ですよね」


と、納得した。