放課後、佐紀は、1年を集めて、


  「じゃあ、
   靴を履きかえて、校門に集合ね」


1年生は、佐紀と校門に行った。


  「じゃあ、私の後に、付いて来て」


そう言って、佐紀は走り出した。

1年生も、後に続いて走り出す。


佐紀は、神社の鳥居の前で止まって、
皆が来るのを待った。

しばらくすると、亜紀と由紀が先頭で、
フウフウ言いながら、走ってきた。

佐紀の所まで来ると、膝に手を付き、


  「佐紀先輩、速ぁーい」


  「ずっと、走ってるからね」


1年生が、皆、追いついた。


  「みんな、受験勉強で、あまり運動、
   していないだろうから、

   徐々に、上げて行こうね。
   ちょっと、休憩」



しばらく休んで佐紀は、再び、走り出した。


  「じゃあ、こっち」


そう言って、神社の中に入って行く。


坂道を1周すると、皆が来るのを待った。

皆が来ると、足踏みしながら、


  「ここ、3周ね。

   今日は説明だけだから、
   1周にするけど」


  「えっ、3周ですか?
   きついなぁ」


  「その気持ち、わかるよ。
   私たちの時も、そう言った人が、
   いたから」


すると、亜紀が、


  「あっそれ、誰か、わかります」


佐紀は、亜紀を指差し、


  「亜紀、それ、当り!
   じゃあ、帰るよ」


佐紀は、学校に向かって、走り出した。