次の日の朝。

佐紀が登校していると、梨沙が来た。


  「おっはー」


  「あっ、おはよー」


友理も、やって来た。


  「おはようさん。
   サキ、また外、走るんやなあ。

   ウチ、言われんで、よかったわ」


  「ホントは、友理が走った方が、
   よかったじゃん」


  「えー、ウチは十分走ったから、
   もう、ええわ」


  「あれで、十分とは、言えないでしょ」


  「もう、ええやん。
   ウチは、“スタミナは使ぅたら減る”
   説を、信じてるんや」


  「もう、友理ぃ。
   じゃあ、一杯、貯金しとかないとね」


  「うん、それは、わかってるんやけど」


梨沙が、申し訳なさそうに、


  「今から、フォーメーションなんか、
   始まると思うんだけど、佐紀、あっち
   やってたら、わかんないじゃん?」


  「うん。まっ、仕方ないよ。
   どうせ、応援係だし」


  「せやけど、今度は、1年生、
   ぎょうさん、いてるから、
   応援団長、出けるでぇ」


  「うん、頑張る」


  「どうせウチらも、
   試合出られる訳や、ないんやから」


  「だねっ」


3人とも、次第に落ち込んで、
ドヨ~ンとした空気を漂わせ、
校門を入って行った。