今日は、合格発表の日。


佐紀たちは、少し早めに登校して、
合格発表を見に行く事にした。

発表がされたばかりなのか、
掲示板の前には
黒山の人だかりが、出来ていた。

誰か、知った人がいないかと、見ていると、
人だかりの中から、亜紀が出て来た。

その顔を見ると、一目で合格したとわかった


  「亜紀!」


  「あっ、佐紀先輩」


  「その顔だと、合格したんだね」


  「はいっ、受かりましたぁ」


  「よかったね。おめでとぅ。
   由紀は?」


  「あれっ、一緒に、いたんですけど」


由紀も、満面の笑みで、人だかりから
出て来た。


  「由紀!、おめでとう」


  「あっ、佐紀先輩、
   ありがとうございます」


横から友理が、


  「もちろん、バスケット部に、
   入るんやろな」


  「あっ、友理先輩。はい、もちろん。
   みなさんと一緒に出来るなんて、
   楽しみです」


すると華子が、


  「参考までに、訊くんだけど、
   どうして甲陽にしたのかしら」


  「それはもう、先輩たちと、
   バスケットがしたかったから……」


それを聞いて、うなずく華子。


  「も、ありますが、一番は、
   近くにあったからです」


佐紀は、華子を、“ねっ”という顔で見た。

渋い表情をする華子。