部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


佐紀が、祐太の方をチラッと見て、


  「ところで、祐太、テストになると、
   手ブラで来てるみたいだけど」


  「あら、気がつきましたの」


そう言いながら華子は、内心ニヤリとした。

“そりゃ毎日見ていたら、気がつくだろう”
華子はそう思った。

そして、“これは面白い展開に
なって来たぞ”と思った。


  「へー、そうなんや。気ぃつかなんだ」


  「気になりますの?」


  「えっ、あっ、いや、
   そういうわけじゃ……」


華子は心の中で、手を叩いて喜んでいた。

佐紀の狼狽ぶりが、面白くて、
仕方がなかった。

そして、さらに追い打ちをかけるべく、


  「ちょっと、訊いてみましょうか」


  「えっ、あっ、いや、そこまでは……」


しかし華子は、佐紀の言葉は無視して、


  「祐太ぁ―、祐太、ちょっと来て」


と、祐太に声をかけた。