学年末テストが始まった。
その最終日、数学のテストが終わった後、
佐紀の所に、友理と華子がやって来た。
「あー、数学、難しかったわぁ」
「うん。私も、出来てないトコ、
かなりあると思う」
華子は、涼しい顔をしている。
「華子は、ええよなあ。
家庭教師、ついてるんやろっ?」
「あら、私も、100点は、
取れてませんわよ」
「ウチら、そんなレベルちゃうやん」
「“ウチら”って、私も入ってるの?」
「えっ、佐紀、出来てんの?」
「いやっ…、それは…、まあ……」
「せやろ。なら、ウチらで、ええやん」
「でも、友理よりは……」
「あー、言うたなぁ。
ほな今度、見せ合いっこ、しょう?」
「うん、いいよ。
じゃあ、負けたら、ジュースねっ」
「えっ、ジュース?
それは、ちょい……」
「あっ、自信ないんだ」
「そんなことないわ。わ・かっ・た。
華子、証人やで」
「わかりました。証人になりますわ」

