部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


ハーフ・タイムには、亜紀が来て、


  「これで、補欠なんですかぁ。
   信じられない!」


  「毎日、走ってるからやん。
   スタミナなら、負けへんでぇ」


  「お前が、言うかっ」


佐紀が、突っ込んだ。
すると、亜紀も、


  「私も、友理さんは、ちょっと違うと……」


  「えー、そんなこと、ないやん。
   ちゃんと、走ってるやろ?」


  「時々ね」


  「走らんでええトコは、
   走らんでええやん。

   そこは、腕や、腕」


そう言って友理は、腕を叩いて見せた。


  「そういうトコだけは、
   悪知恵が働くんだから」


  「悪知恵やなんて、人聞きの悪い事、
   言わんといて。

   いろいろ、考えてんやから」


  「何を、考えてんの?」


  「せやから、どうやったら、
   走らんですむかとか」


  「それを、悪知恵って
   言うんじゃないの?」


  「えー、必要ないトコは、走らんで
   ええやん。

   それは、正当な、権利やで」


  「権利だなんて、大げさな」


  「ウチは、ちゃんと、ココ使うて、
   走らんでエエように、してんねん」


そう言って友理は、人差し指で自分の頭を、
コンコンと、つついて見せた。

聞いていた亜紀たちは、大笑い。


  「いつ聞いても、みんなの漫才は、
   面白いですね」


  「漫才なんか、してへんでぇ。
   佐紀が、言うから……」


佐紀は、スッと立ち上がり、


  「さっ、後半も、頑張ろう。
   友理、ちゃんと走ってよ」


  「うん、走らなあかんトコは、走るで」



しかし、試合中何度も、佐紀の声が聞こえた


  「ユリっ!!、走って!」