お正月の、昼下がり。

港南中近くの神社境内、露店が並んでいる。

初詣のピークは過ぎ、
人出も少なくなっていた。


佐紀、梨沙、友理が私服で歩いていた。


  「華子たち、遅いなあ」


  「思い出すねえ、去年、一昨年か、
   華子たち、着物で来てたじゃん?」


  「せやせや、ほいで、首に白い、
   ふわふわしたヤツ巻いて、
   あんたら、成人式かって。

   ちょうど、あんな風な」


そう言って友理は、向うに見える着物姿の
3人組を指差した。

それを見た佐紀が、


  「あっ、華子だ」


  「えっ、マジっ?」


  「ホンマや。今年も、着物やん」


3人は、華子の所へ行った。


  「あけまして、おめでとうございます」


  「おめでとう。今年もよろしく」


  「おめでとうさん」