県大会は、連れて行ってもらえるのは、
15人だったが、顧問の荒井先生の計らいで
佐紀も、行けるようになった。

しかし、やはり試合は、
観客席からの、一人だけの応援だった。



試合は、1回戦で、いい所なく敗れた。

意識も変わらず、練習も、消化するだけでは
進歩は、望めない。

千夏や和美は、早々と、バテてしまい、
麻紀や華子が奮闘する図式も、
地区大会と同じだった。


佐紀が、下に降りて行くと、
コーチの怒りが、爆発していた。

しかし、言っている事はやはり、
地区大会と同じだった。

佐紀は、これだけ課題がわかっているのに、
なぜ、改めないのだろうと思った。

そうすれば、いいチームになるのに。

そしてそれは、1年生全員が、
そう思ってるだろうな、とも思った。


明美はと見ると、下を向いて唇を噛んでいた

自分の力のなさを、痛感しているのだろうか

しかしそれは、明美の責任ではないと、
佐紀は思った。

強く言えない明美に、
多少の責はあるにしても、
それは、個々の問題である。


そして、その問題は、いつまでも、
放置されたままになっていた。