文化祭が終わって、また体育館で、
練習が出来るようになった。


コーチに叱られたからと言って、そう簡単に
練習態度が、変わるわけではなかった。

むしろ、叱られたことがストレスとなり、
そのはけ口として、1年生に向かったりした

1年生はもう、慣れっこになっていて、
そのことに関しては、
何とも思っていなかった。

しかし、練習の雰囲気は、悪かった。

佐紀は、2年生は、何が楽しくて、
バスケットをしているんだろうと思った。

確かに、練習は、苦しい事も多い。

しかし、だからこそ、楽しくやらなければ
やってられないと、佐紀は、思っている。

こんな練習では、2年生は、半分くらい、
損をしているのではないかとさえ、思った。


唯一の救いは、1年生同士の仲が良く、
何でも、話し合えることだった。

練習が終わり、体育館から校門までの間、
1年生全員で、帰りながらの話は、
愚痴も多かったが、
一つの楽しみにもなっていた。

皆は意識していなかったが、真面目な佐紀は
真剣に話を聞き、皆を励ますことで、
1年生の、精神的柱の存在になっていた。


そして、県大会の日が、やって来た。