友理が、感心したように、


  「へー、よく、観てるんや。
   ウチは?、ウチは?」


  「友理、試合に出てないから、
   わかんない」


すると、里香が、


  「ディフェンスすると、すぐ抜かれる」


雅美も、


  「速い動きに、付いて行けない」


皆、次々と、


  「複雑な動きを、覚えられない」


  「すぐ、バテる」


  「ゴール下を、よく落とす」


などと、矢継ぎ早に、上げて行った。


  「えー、それ、癖ちゃうやん」


  「でも、いつも、やってるよ」


  「癖じゃなきゃ、何なの?」


  「それは………
   もう、ええわ。みんなして」


  「ハハハハハ」


佐紀が、友理をフォローしようとして、


  「友理だって、いいトコあるよ。
   たまに、シュート・ブロックするし、
   それに………えっとぉ………」


佐紀は、次が、出て来なかった。

すると友理が、残念そうに、


  「サキ、もう、ええわ。

   ありがとさん。
   ウチの、ええトコ、
   一つだけ、挙げてくれて」


  「ゴメン、後、思いつかなかった」


  「ホンマ、佐紀が、一番キツいやん」


  「ハハハハハ」



皆、話が弾んで、
どれだけ試合を見たか、定かではなかった