新人戦、地区大会、2日目。
まずは、ベスト4を賭けての闘いである。
相手は、明邦高校。
明美の話だと、よく走るチームらしい。
“よく走る”と聞いて、佐紀が思ったのは、
千夏が、もつかどうかだった。
スタートは、麻紀、千夏、佳奈、華子、和美
第1クォーターは、互角に戦っていたが、
案の定、2クォーターの後半になって、
千夏の足が、止まった。
和美も、かなり辛そうである。
速攻が、出ない。
和美は、パスアウトをもらう位置に出て、
先走りを、しようとしなかったのだ。
ジリジリと離され、
前半を終わって、10点のビハインド。
後半は、和美に替えて、歩美が出た。
歩美になって、速攻は出始めたが、
千夏が穴になって、得点を決められていた。
それをカバーに行った佳奈には、
ファウルが、かさんでいた。
コーチは、千夏をあきらめ、七海を出すが、
最近試合に出ていない七海は、
皆とリズムが合わず、点差は、開いて行く。
そして、それらの負担は、総て、
麻紀と華子に、かかっていた。
第3クォーターを終わって、
18点のビハインド。
ベンチに帰って来た麻紀が、椅子に、
ドカッと腰を下ろす。

