坂井コーチは、上手い人を大事にする
タイプだった。

3年生の弥生、2年の麻紀、1年の華子の
言い分は、たいていは通った。

そのかわり、出来ないやつには、冷たかった

それは、個人の問題だと、言わんばかりの、
冷たさだった。

確かに指導してくれて、
いろいろ、教えてはくれた。

しかし、1度言って出来なければ、
次は、怒鳴られた。

中学の時、三田コーチの指導に慣れていた、
佐紀達は、最初は、面食らった。

けれど、華子たちは、中学の時も、
そんな感じだったと聞き、佐紀は、
強いチームは、そんなものかなあと思った。



この新人戦は、クジ運に恵まれたのか、
3試合目も、一度もリードされることなく、
勝つことが出来た。

甲陽高校は、ベスト8に入ることが出来、
県大会出場の権利を得た。