会場で、佐紀達1年生が集まっていると、
そこへ、キャプテンの明美がやって来た。


  「えっと、ゲーム・エントリーは、
   15人なの。
   だから一人、上で応援してもらう
   ことになる。

   コーチとも相談して、………サキ、
   あんた、上へ、行ってくれる?」


  「はい、わかりました」


  「えー、サキ一人やなんて。

   1人くらい増えても、
   ええんじゃないんですか?」


  「うーん、決まってるからね」


  「なら、ウチも行く。
   一人やなんて、可哀そうやわ」


  「大丈夫だよ」


  「どうせウチ、試合に出して
   もらわれへんと思うし」


  「いいって。

   上だろうが、下だろうが、
   どこにいたって、一緒に
   試合してるのは同じなんだから」


  「ええのんかぁ?」


  「うん。上で一緒に、試合するよ」


明美が、すまなさそうに、


  「ゴメンね、サキ」


  「いえ、上で一生懸命、応援します」


  「あ、最初のアップは、
   一緒にしていいから」


  「はい、わかりました」