……………() 新人戦 ()………………
それからの練習は、
麻紀たちのモチベーションが上がったのか、
少し、活気が戻って来た。
特に、コーチが来た時などは、
目の輝きが、違っていた。
佐紀は、やはりみんな、バスケットが
好きなんだなあと思った。
そして、麻紀たちの不満が薄らいだ分、
1年生への風当たりも、和らいできた。
しかし、一度覚えた優越感は、
それが根拠のないモノであっても、
なかなか、消える事が無い。
特に、尊敬されるモノを持っていない者は、
上級生であることに、すがらざるを得ない。
けれど、それは自分に、何もない事を、
証明しているに過ぎなかった。
明美と仲のいい、佳奈や瑞希は、
1年生に優しかった。
恐らく、一年生の時に、冷遇されていたから
気持ちが、わかるのであろう。
麻紀の一派は、少し下火になっとはいえ、
相変わらず、先輩風を吹かせていた。
麻紀は何も言わなかったが、かといって、
止める事も、しなかった。
佐紀達は、2年生が、二つに割れている事を
身を持って、感じていた。
そして、いよいよ、新人戦の日がやって来た