試合は2試合とも、20点以上の差をつけて
負けてしまった。
試合が終った後、
皆は、坂井コーチの周りに集まった。
「よし。きょう、見せてもらって、
大体の事は、わかった。
少しはスタミナがついてきたな」
坂井コーチは、千夏とその周りにいる和美や
七海をギロッと睨み、次に友理を見て、
「まだまだ、走り込みの足らないヤツが
いる。
ユリっ! お前はもっと、走り込め」
「はい」
「それじゃあ、また見て行くことに
するか。
けど、真剣にやらなけりゃ、
すぐに辞めるからな。
どうするかは、お前たち次第だ」
皆、真剣な顔をして、聴いている。
「新人戦は、日程の都合上、
初日に、3試合ある。
3試合目に走れなきゃ、
県には、行けないんだからな」
コーチはもう一度、千夏たちを見た。
「明日から、また、
暇があったら、来るからな
この前、渡したメニューで、
ちゃんと、やっておけ。
いいなっ」
「はいっ」
「じゃあ、解散」
「ありがとうございましたぁ」
坂井コーチは、山城高校のコーチに、
お礼の挨拶をしに行った。

