部活~ウチらバスケ部~高校編     第1部


佐紀が、感心したように、


  「甲陽って、ずっと県大会、
   出てるって言ってたけど、
   結構、伝統があるんだね」


  「最初に、言いましたでしょ?

   佐紀は、ホントに、
   何も知らないんですから」


  「だって……」


華子は、佐紀の言葉を、手で押し留めて、


  「その先は、言わなくて結構ですわ。

   ホントにもう、
   散々悩んで、ここに決めた自分が
   バカみたいに思えますもの」


経緯を知らない歩美が、華子に訊いた。


  「えっ、何のこと?」


華子は、ゆっくり首を振り、大きく息をして


  「じゃあ、佐紀さん。
   どうして甲陽に決めたか、
   教えあげて」


  「えっ、だって、近かったんだもん」


それを聞いて、歩美は、手を叩きながら、
大声で笑った。


  「キャハハハ、受けるぅ」


  「ウチも、近かったから」

  「私もだよ」

  「私も」


港南の面々は、口々に、近くだからと言った


  「まったく、港南の人たちは……」


歩美は、笑いながら、


  「華子は、ちゃんとしたバスケが
   したくて、親父さんと喧嘩してまで、
   ここに来たんだよ。

   そりゃ、怒るわなっ」


  「ゴメン」


  「あなたが謝る事では、ありませんわ」


  「ゴメン」


  「だからぁ」


歩美の笑い声は、校門を出るまで続いた。