中村はクラスが違っててもしょっちゅう雪音をからかいにやってきた。
「雪音、今日も彼氏がまたお前のことからかいにきたぞ」
クラスの男子が言う。
「だからあたしと中村はそんなんじゃないんだから!」
「雪音のDK」
また新たな変なあだなをつけられた。DK=ドンキーコングである。
「なんであたしがDKなのよ!こら待ちなさーい」

あいつら本当に仲いいよな。つき合ってるってうわさ本当かな!?へぇ中村くん雪音ちゃんに夢中なのね。翠はそれが気にくわなかった。なんであの子だけに気に入られてるの?

ある月曜の朝。
「DK~」
またいつものように雪音にちょっかいを出そうとする。その時だった。ぎゅーっと後ろから翠が中村を抱きしめた。その瞬間雪音は頭にガンときた。
「な、なんだお前誰だ?!」
「私、加藤翠っていうの。昨日は日曜日で中村くんに会えなかったじゃない。だから会えて嬉しくて‥」
中村はおもわず赤面した。
なによあの男白昼堂々といちゃついて。フンだ!それを見ていた大沢くんは
「雪音ライバル登場でピンチだな」
とクスっと笑った。
「ライバルだなんてあたしは別に中村のことなんてどうだっていいのよ」
相変わらず意地をはる。
「意地っ張りも度がすぎると可愛げがねーぞ」
「な、なによ大沢くんってばいじわるね」
大沢と雪音のやりとりを中村は複雑そうに見ていた。