「……大変ですね、記憶できないって」

「いや、別に。
 これが俺の標準仕様だから」

仕様って……と、彼は微妙な顔をしながら
出された緑茶を口に運んだ。


文字通り茶を出したけど、
彼は何も言わずに飲んでいる。

ちなみにこれを友だちにすると、
コーヒー出せとか言われる。


「携帯にメモったりとか、
 アラーム設定しとけば困らないし。

 それにホラ、写真いっぱいあんだろ?」

机を指差して、
彼の視線をそっちに向ける。