―シーン
教室内が静まり返る。
「かわいい…。」
そんな声が教室から漏れ始める。
自分でまだ見てないからどうなってんのか分からないんだよね。
そうこうしていると、わさわさと私の周りに人が寄ってくる。
「白河さん?!かわいいねー。
…みんな、これなら…クラス優勝狙えるんじゃない?!」
「いえーーーい!!!」
みんな勝手に盛り上がり始めた。…ってかさ…こんな地味な奴で優勝狙えないくないかな…?
「ね、結弦ちゃん。」
「…瑞希ちゃん?」
…にこにこした笑顔で近づいてくる。
「頑張ろうね。新緑祭。っていうか…あたし、負けないから。」
…負けないから、って何だろう。…あぁ、雅紀のことか。
すぐにそんな予想はつく。
「だから…東城君はものじゃないと思うの。雅紀がほかの人を選ぶんだったらそれで良いよ、別に。」
こんなこと…昔から思ってたはずなのに…なんでか心がチクッとした。


