「出来た?」
「ちょっと待ってねー…。」
…この会話を繰り返して早15分。意外と私の髪が短くてお団子が難しいらしい。
「で…出来たわ!!」
のんが叫ぶ。
その声に、カーテンで仕切ってある更衣室の外から、
「のん、どうしたのぉーーー?」
みたいな声が飛んでくる。
「結弦、行ってきなよ。みんなにみせておいでよ。」
「う・・・うん。」
緊張するんですけど!!のん、そこらへん考えてくれてもいいよね?
「…のん、なんで私に話しかけてくれたの?」
…ふと思った疑問。
「私ね、かわいいもの大好きなの。ものであれ、人であれ。だから、洋服作るのも大好き。
それに、結弦は変人とか最低だとか良く聞くけど…そんな子には見えなかったからね。」
…じーんとする。心が温かくなる。
「のん、ありがとう。行ってくるね。」
私が最近見せた最高の笑みをのんに向ける。
そして、私は、カーテンをシャっっと開け、みんながいるほうに向かう。


